キングジムのデジタル耳せんはどのぐらい効果があるのか、実際に試してみた感想

以前住んでいたマンションでは、隣の部屋から聞こえる子供の走り回る音や、ドンドンという重低音など、騒音に長い間悩まされていた時期がありました。

引っ越しをして環境が変わってからは、そのような騒音はほぼ聞こえないのですが、その時のトラウマなのか、ドスンという大きな音に対してかなり敏感になってしまいました。

そのため、部屋にいてどうしても音が気になるときには、BOSEのノイズキャンセルヘッドホンやカナル型イヤホンをした状態で音楽を流してなんとかやり過ごしてきたんです。

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この方法だと周りの声や音はほぼ聞こえない状態になるのですが、さすがに耳の健康にはよくないよなーと心配していました。

そんなときに見つけたのが、キングジムより発売されている「デジタル耳せん」です。
【環境騒音を90%カット】という時点で正直期待していませんでしたが、『これが本当に効くならすばらしい商品だ』と物は試しに購入してみることにしました。

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デジタル耳せんの詳細

デジタル耳せんの仕組みは、内蔵されている小型のマイクから、騒音と逆の波形の音を出して打ち消すというもの。仕組み的には、BOSEのノイズキャンセルヘッドホンと同じです。

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ノイズキャンセルに対応している騒音の周波数は、300Hz以下のもの。具体的には、飛行機や電車の機内音、エアコンの空調音、冷蔵庫のモーター音などの低音です。
人の声の周波数は300Hz以上なので、音声はカットされないというわけですね。

キングジムの独自測定法だと、デジタル耳せんによるノイズキャンセルレベルは約-20dBらしいので、例えば電車内の騒音が80dBだとすると、60dB程度まで軽減することができるということです。

同社独自の測定法で測ったノイズキャンセル・レベルは最大-20dBという。

300Hz以下の騒音を90%カットする「デジタル耳せん」が登場 – 日経テクノロジーオンライン

文字だけで書くとなんだかものすごい機能を持ったデジタル耳栓のようですが、実際にどんな形をしているのか見ていきましょう。

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大きさは横64×縦64×厚さ14mmで、リップクリームと比較するとこんな感じ。
本体は約33gと軽いので、胸ポケットになどすっぽりと収まる。

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音楽が流れてくるわけではないが、イヤホン部分はR(右)とL(左)が決められている。

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耳の穴の大きさはひとそれぞれ違いますが、デジタル耳せんには、「XS・S・M・L」という4種類のイヤーピースが付属。

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コードは本体に巻き付けてストッパーで長さを調節。

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単四電池一本で稼働します。
アルカリ乾電池で約100時間、エネループで約60時間使用可能。

プラスチックでできた本体はなんだか玩具のような感じですが、実際に使ってみた感想はどうでしょうか。

気になる騒音の種類や使う場所によって満足度は異なる

家の中で実際に試したところ、「ゴーーー」「ブーーーン」「ジジジジジ」など、連続して聞こえてくる低音にはそこそこ効果がありました

例として、電車や飛行機の騒音、空調の低音、遠くから聞こえる船のエンジン音、冷蔵庫の稼働音、パソコンの雑音などに効果が期待できます。

ただし、足音など隣接する部屋から聞こえる低音、コトコトコトという物同士がぶつかる音にはほとんど効果がありませんでしたので、家の中での使用にはあまり向かない気がします。

キングジムによる公式サイトのよくあるご質問(Q&A)にも書かれていますが、工事現場のような過度な騒音や、ドンという突発的な音、低音と高音を繰り返すような騒音にはデジタル耳せんの効果がありません。

具体的には…
「カンカンカンという工事現場の音、人の話し声、テレビの音、犬やカラスの鳴き声、電話の着信音、雷の音」などなど。

また、低音がシャットアウトされた時に、逆に人の話し声がクリアに聞こえてきて、それが気になってしまうということも考えられます。

個人的には一番消したかったドスンという低音には全く効果がなく、期待はずれだったと言わざるを得ません。騒音でいえば、カット率は20%ぐらいでしょうか。
声が聞こえなくても気にしない自宅で使用するなら、普通の耳栓の方が明らかに効果があります。

出勤や出張などでよく乗り物に乗っていて、少しでも騒音を低減できればという方、仕事場で発せられる音が気になるという方、聴覚過敏で少しでも雑音を抑えたいという方などであれば購入する価値はあるのかもしれません。